認知症の高齢者が、記憶の欠落のため勘違いします。物が見つからないことは、日常でもよくあることですが、認知症の高齢者は、自分で保管した場所などの経験記憶自体が完全に無いので、見つからないと盗まれたと思うようになります。そこから、被害妄想に発展していきます。泥棒扱いされる人が、認知症の人を介護する身近な人であることが多く、トラブルになることが多々あります。
認知症高齢者に対して、適切な環境と適切なケアが提供されている時は、高齢者の認知症が改善したようにみえます。認知症高齢者から、暴言、暴力がなくなり、穏やかな日常生活が送れるようになります。しかし、中核症状である知的機能低下が改善されたわけではありません。適切な環境とケアによって、認知症高齢者の心理的ストレスが軽減し、行動・心理症状が出現していないということなのです。行動・心理症状を客観的に捉え、高齢者の訴えに対して向き合い対応することで、落ち着いた生活が出来るようになります。現在の医学で中核症状の進行や抑制を改善することは不可能です
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