私たちが排尿をするとき、普通その中には糖分は含まれていません。しかし、血液中の糖分がとても多いと、尿中に糖分が出てしまいます。この「血液中に含まれる糖の量」である血糖値の高い状態が続く病気を糖尿病といいます。
なお、糖尿病が完治することはほとんどありません。そのため「糖尿病は一生つきあっていく病気」と認識するのが良いでしょう。
また、「死の四重奏」と呼ばれるものに「糖尿病、肥満、高血圧、脂質異常症(高脂血症)」があります。これらの病気が発症した場合、何もせずに放置しておくとさまざまな病気を引き起こします。
糖はヒトにとって大切なエネルギー源です。例えば脳が物事を考えるとき、糖分の一種である「ブドウ糖」が必要となります。血糖値が高い場合、血液中の糖の量を少なくしなければいけません。その働きをするのが「インスリン」というホルモンです。食事後など血糖値が高くなると、このインスリンが分泌されます。その結果、筋肉や肝臓に糖が取り込まれて血糖値が調節されます。取り込まれた糖は貯蔵され、必要なときにエネルギー源として使われます。糖尿病はインスリンの働きが悪くなる病気です。その結果として、血糖値の高い状態が保たれてしまいます。インスリンの働きが悪くなる原因としては2種類あります。一つはインスリン自体の分泌が悪くなる場合です。もう一つは、細胞がインスリンを受け取りにくくなる場合です。これらは「肥満、ストレス、運動不足、過食」などによって引き起こされます。特に肥満細胞は、インスリンが筋肉や肝臓に作用するのを阻害する働きがあります。この状態では、たとえインスリンの量が十分に足りていてもインスリンが細胞に作用しにくくなるので、なかなか血糖値が下がりません。これは、肥満であればあるほどインスリンの作用が阻害されるためです。なお、糖尿病は遺伝病ではないので、親が糖尿病なら子供も必ず糖尿病になるとは限りません。ただし肥満になりやすい体質など、糖尿病になりやすい遺伝子は受け継がれます。
糖尿病を発症しているにも関わらず、何も対策をしていないとさまざまな病気を引き起こし、失明や意識障害につながります。糖尿病の場合では、「糖尿病網膜症」、「糖尿病性腎症」、「糖尿病性神経障害」が糖尿病の三大合併症と呼ばれるものがあります。糖尿病を発症すると、最初に細い血管がダメージを受けます。このダメージを受けやすい場所として「目」や「腎臓」があります。そして糖尿病によって起こる三大合併症のうち、「糖尿病網膜症」と「糖尿病性腎症」は細い血管が侵されることにより発生します。
「糖尿病網膜症」とは、眼の血管が破れたり詰まったりする病気です。病気が進行してくると、眼に新しい血管が作られます。これが原因で、視力の大幅な低下や失明となるのです。
糖尿病は腎臓にも悪影響を与えます。糖尿病によって腎臓の機能が低下し、最悪の場合は腎臓が機能しなくなる「腎不全」になってしまいます。これが、「糖尿病性腎症」です。腎不全の状態では、一生人工透析を続けないといけません。人工透析はだいたい週に2~3回、一回に4~5時間かけて行います。現在では、糖尿病が原因で人工透析を受けている人の割合が一位となっています。また、神経も糖尿病によって影響を受けやすい場所です。高血糖状態によって神経に傷がつくのです。これによって手足のしびれや感覚が鈍くなるなどの症状が出てきます。これが、「糖尿病性神経障害」です。悪いことに糖尿病は初期状態で、自覚症状がほとんどありません。糖尿病は治療が早ければ早いほど、合併症などの心配が少なくなります。そのため、自覚症状がなくても糖尿病の治療は必要なのです。また治療をして自覚症状がなくなったため治療を中断してしまうと、再発してしまいます。これは「糖尿病が完治したのではない」からです。「糖尿病は一生付き合っていく病気」ということを認識しなければいけません。
それでは、糖尿病の治療には何をすればいいでしょうか。「インスリン注射」でしょうか。それとも「薬」でしょうか。実は、一番効果があるのは「適切な食事」と「適度な運動」です。「食事と運動」と聞くと、身構えてしまう人もいると思いますがその必要は全くありません。食事は病院食みたいなのではなく「バランスのとれた食事」、運動は「20~30分のウォーキング」で良いのです。食事は基本的に食べていけないものはありません。一日に摂取するカロリーを守ればいいのです。また、「運動するのに時間がない」と言い訳する人も多いと思います。そのような人でも会社でエレベーターではなく階段を使うなど、工夫することはいくらでもあると思います。ただし血糖がコントロールしにくい患者は、運動によって血糖値が上昇するなどの場合があります。糖尿病を治療するときは、自己判断でなく医師の指示を守るようにしましょう。糖尿病の治療で「食事の管理と運動」だけで効果が現れないときは、薬を使用します。薬も最初は飲み薬で、それでもダメならインスリン注射となります。ただし、これらの薬物療法は「血糖値を調節するための補助的な役割をしている」と認識した方が良いです。薬で糖尿病が根本的に治ることはないからです。
また、薬物療法では「低血糖」に気をつけないといけません。ただし、医師からの指示を守っていれば低血糖の心配は少ないです
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