変形性膝関節症は、主に加齢の影響で膝の軟骨がすり減り、膝に強い痛みを生じる病気です。病気が進行すると痛みは強くなる傾向にあり、日常生活に大きな影響を及ぼすようになります。関節の軟骨は、非常に摩擦の少ない部分です。人間の体は、軟骨が存在することによってなめらかに動きます。何らかの原因で軟骨がすり減ると、関節の動きが悪くなり、さまざまな症状が現れます。
年齢的には、50歳を過ぎた頃から徐々に発症します。また、圧倒的に女性に多い病気です。なぜ女性のほうが多いのか、その理由わかりません。男性よりも筋力が弱いことや、体重が増えやすいこと、運動量の少ないことなどが挙げられます。変形性膝関節症の原因として、加齢、肥満やO脚、怪我や病気が挙げられます。この中でもっとも大きな要素は加齢で、軟骨をつくる細胞(軟骨細胞)のはたらきが加齢と共に衰えることが主な原因といわれています。軟骨の中では、古い軟骨をこわして新しい軟骨をつくる新陳代謝が常に行われています。しかし、軟骨細胞のはたらきが衰えると新しい軟骨がつくられにくくなり、新陳代謝のバランスが崩れてしまいます。すると、軟骨をこわす力のほうが優勢になり、軟骨の量が徐々に減ってしまいます。また、軟骨は血流が乏しい組織であり、血流のある組織と比べると、新陳代謝の行われるスピードは非常にゆっくりです。そのため、一度すり減った軟骨は再生することなく、変形性膝関節症は少しずつ進行していきます。症状が進行して末期の状態になると、膝が曲がりにくいという症状がさらに進みます。そして、それまでは休んでいるときには痛みは出ないという状態だったのが、夜寝ていても時々痛みで目が覚めるというように、安息時にも症状が出るようになります。関節水腫の程度については個人差があります。
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